昨日に引き続き、講習会。北アルプスの景色が美しいこと。今日は、IDさんに乗せてもらったので、ドライブでのストレスはなし(^^)
■ 審判講習(I先生)
最初に「審判とは」の基本と心構えの説明が30分あり。
・専門用語を使って説明できるように
例)
残心なしで取消の場合→「打突後に不適切な行為があったから」
三所隠しで逆胴の取り消し→「左胴は有効打突ではありませんでした」
・試合場に入るときの足などは事前に決めておく。
・宣告、大きな会場でも通るように、大きな声でしっかりとわかりやすく。
・旗の持ち方(真下に旗を降ろして持つ。手の内。たなごころに柄を収める)
・待機中の座り方、審判旗の持ち方
・主審と副審の権限(竹刀回っていて副審止めはかけられない。鍔競りを副審が止めはかけられない)
・位置取りは切り込む。なるべく半身で見る体勢にならないように。
■ 審判実習(立合) 全5試合 時間1分半
約2時間半の実習タイム。
五段以下がH先生、六段・七段がI先生担当。
審判緊張するなぁ〜と思って移動していたら「土屋さん、選手の担当手伝って」と声が掛かる。男子8人(県警と実業団)、女子6人(猛者いっぱい)スタート、私以外は腕におぼえありな面々。務まるかわからないけど、こういう機会に立合を見てもらえるのはラッキーかもとポジティブ発想に切り替え準備。3試合終えて団体戦形式が終わった所で加わる。
<最初に意識したこと>
・剣先が寝ないように正しい高さを維持
・打ちたい打ちたいで手元が伸びないように
・決め打ちをしない
◎1試合目Uさん 結果メ
前半で相手が浮いたと思ったところを「面」
浅くて押し込んで抜けたのでダメかなと思ったら旗2本。
講習生に理由などを確認後、H先生「浅くても打ち切っていたし、100点ではないかもしれないけど70点、80点の打ちだったので、僕ならコレはとります」との事。
試合続行
最後の最後相手が面に出てきたところを近間で上からかぶせるように「面」旗1本上がり中断。自分では今のは不十分と思ってる内容。旗は流れ試合終了。先生がSTOPをかけ、最後の面はどうだったかを検討。面をつけているので、あまり良く聞こえなかったけど、他の講習生に手を挙げさせて半々といった状況。1本とってもよかったかもしれないとのこと。
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◎2試合目Wさん 結果メド
試合前に、「鍔競り反則になるように」との指令が有る。
前半構えて1本打った後膠着状態の鍔競りを作り逃げ気味で試合展開を作る。でも押し合いもした。長いこと待ってやっと審判の「わかれ」がかかった。そこでSTOP。
今回のケースはまず、わかれではなく、合議をかけて反則内容の確認。いろいろな状況を説明した後、両方反則にするとのことになった。もっとわかりやすく、逃げる鍔競りの状況をつくればよかった。
その後は普通に試合。
相手が浮いたところを面。ただし体を返しての面だったので旗2本。→「メ」
STOPがかかり検討。どうして挙げなかったのかを問われた人は「正面で打っていなかった」との回答。先生「今のは、体を捌いての面だけど、正面でドンと打っていたよ」とのこと。
次に相手が面に浮いて出てきたので、胴。平打に近いけど、抜けきった。旗が2本。
STOPかかり検討
さっき1試合目で最後の浮いた面で1本旗を上げた人が、今回の胴で挙げなくて、理由確認。「打突部位がずれていたから」とのこと。今のなら挙げるという結論の中で「さっきの面を上げて、今の胴を挙げられないのは、審判としてブレていて問題になりますよ」との厳しい話だった。
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◎3試合目Mさん 結果メ
最初のところで小手が来たところを小手返し面 →メ
これは自分の中ではベストな打突だった。
その後は早い試合展開ではあったけど、終了。
(あまり覚えていない)
—– 休憩 ——
ここで一回休憩
講習生の方が1人よってきて、「さっきの1試合目の2本目の面は後から打っても打ちも早く僕は入ったと思うけど、やっていた方としてはどうなんですか?」と聞かれ、「当たっていても体勢不十分、打突は正しい打突部位ではなく元打ちなので、実際の試合でも1本にはならない可能性が高いと思います」とお答えした。
こうやって、評価していただくのはありがたい。
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◎4試合目Sさん 結果ド
先生から、相手方に「きわどい反則は仕込まないようにね」とジョーク有り。とはいわれても、この相手ならできるのでやるわけで。場外反則はまだ今までの試合の中ではなかったので入れようと思いつつ。
立合開始で、鍔競りになった所で、竹刀をかけたやり方の影響で、中結が曲がってしまったので「タイム」をかける。主審に寄って行こうとすると、主審の方から聞きに来てくれてしまってSTOP。
「主審は聞きに行っちゃダメだよ。選手が申告をしに行って理由を確認するんだよ」とのこと。
試合続行。
試合展開の中で、連打の状況になったので、長めに連打(打ち込み状態)をし、体を入れ替えたりしながら、相手の配慮もあり、うまく追い込まれて場外へ。(やっぱりSさん凄いな、察したよ)
場外反則の取り方でコメント有り。
試合続行
最後、珍しく相手が、手が先に出て浮いた所を、胴。→ド
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◎5試合目Oさん 結果メ
試合前に、そういえばダルビッシュは最後の最後で完全試合のがしたんだよなぁとぼんやり思いつつ。
最初の初太刀で相手が面に出てきたところを、先に面で押し込む→メ
次のアクションで相手が縁をうまく切る引き面が出て、打たれたーと思ったが、誰も上がらず試合流れた所でSTOP。状況説明が有り、「今のならば100点ではないにしろ、60点、70点検討の余地はあったと思いますが」で話会い。他の講習生の票も割れる。試合の流れを尊重し、無しで進行。
その後、彼女のスピードある動きになんとかついていって時間切れ。
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全体であと3試合といっていたので出番はないなと面をとって、講義内容を聞いた。
話によく出てきたのは「他の審判との動きのなかでの協調性」「100点満点じゃなくても、特に小学生とか中学生の試合で、70点、80点なら取る。それで試合が活性化することもある」。
鍔競りは一緒に回るのではなく、終わり際。
※言葉に書くのは難しいのですがメモとして。
質問の中で「旗を上げた後に、やはり無しとしたい場合はどうすればいいのですか?下ろして旗を振ってもいいのですか?」というのがあり「1度あげた旗を取り消すようなそんな判断で試合を見てはいけない。試合者の人生を左右することも有る。審判員は有るなら有るで決断をして勇気と責任をもって旗を上げる。あとで自分の決断を取り消すようなそんな審判をしてはいけない」という厳しい言葉ぶりでの話しもあった。
追記:
質問で、「私は初段ですが、審判員の要請が来ると受けていいのかどうか非常に悩みます。」との質問に「依頼がきたならば受けて、自信を持って審判をする。誠心誠意、公平性をもって自分が判断したことをやる。そしていっぱい経験を重ねる。それが大事です」との回答。
私は審判は引き算をしていくのだと思ったけど、H先生の話を聞いていると、審判って選手の良いところを足し算で見ていくのかもなと思えた。
午前の部 終了
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◎H先生コメント
立合良かったよ!あなた試合うまいね。昨日見た時には手元が伸びてくるのが気になったけど、今日は大丈夫だった。特に左の捌きはうまいよね、僕自身勉強になったよ。そのまま段もいきなさい。
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◎立合総括
今回は珍しく5試合とも良い結果になったけど、写真をとったみたいに記憶が断片的。
試合時間が短いこともあるけど、余計なことを考えず、気負わず、体が勝手に仕事をしてくれた。この感覚は今までになかったので、貴重な体験。先生や講習生が見てるとか、そういうのも全然気にならず、目の前の相手の動きだけに集中できて面白かった。こういう状態もいいのかも。
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■ 指導法(午後)H先生
・素振りの方法
・切り返し
・基本
・打ち込み
・互角稽古
・高段者にかかる稽古
■ 指導稽古
休憩の後半で昨日同様1人面をつけて動き始めたところをダッシュで面をつけてI先生の列へ。4番目。
1人目は、I先生の後輩のSさん。「今までにない動く姿をお見せします」と事前にコメントを残し稽古。おっしゃるとおり、素晴らしい動きでした。ただ闇雲に打つのではなく、機会を得て動く。その中でI先生のマッハの小手が2−3本出ていた。カっカーン!と打つ。どう仕掛けて打っているか見えない。
2人目は、つっこんでかかっていく稽古で早々に終了。
3人目の県警の人はよい稽古をされていた。
自分の番。
張って、初太刀にいった後に構え直した瞬間竹刀を払われ、竹刀が行方不明。相当後ろに竹刀は転がっていた(>_<)
気を取り直して稽古続行。それでも慌てて打つようなことはしないで、先生のゆさぶりも我慢して、見えた機会を面。そこから先生ニコニコになり、じっくり相手をしてくださった。1本勝負となり、最初に先生のマッハの小手。あー、と思って打ち込みかなと動くと竹刀を制されて、構え直す。そこからまた我慢をして、思い切って面に飛んだら「まいった」と先生。そこから面の打ち込みを4本打って終了。蹲踞の時に先生がまた笑顔で大きな声で「まいった」といってくださった。懐の深い素敵な先生だなぁ。
I先生との稽古で左ふくらはぎが「モリっ」と筋肉が動いたので、これ以上やると肉離れするなとおもい、見たい先生の列に並び残りの時間を過ごした。
奥のほうで人がざわつき、役員の先生たちが飛んでいった。足首を掴んでいる男性がいてどうもアキレス腱を切ったらしい(>_<) やっぱり春先は危ない季節だ。
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無事講習会終了。
◎I先生コメント
I先生のところへは、時間もないとのことで、稽古をお願いできた女子でわーっと挨拶に行ってご挨拶。
「元気いいね」とのコメントを頂いた。
■総括
やはり第一線でバリバリ活躍している先生の講習というのは、おじいちゃん先生たちとはまた違う、こちらにおりてきてくれるような共感を持てるような講習内容で勉強になった。ありがたやありがたや。
八段の先生はどなたも愛情がある。褒めるのは自信を付けさせるための呪文。喜ぶのはよし。心の栄養になる。ただし、言葉通りに捉えてはいけない。これは剣道の神様の、たまのご褒美。
慢心せず、浮き足立たず、日々の稽古を着実に重ねて行きたい。
帰りもIDさんに無事送り届けて頂きました。
ありがとうございます。